3月12日(水)、博多の伝統工芸に触れ、「まいにち」を感じる幸せな時間を発見する体験研修を博多人形の絵付けを通して、福岡在住の二人のアーティストから学びました。
絵付け体験は、当社とラブエフエム国際放送株式会社が共同で、福岡市内の小学校へ「出前授業」として行っているもので、子どもたちに地元福岡の伝統文化に触れ、モノづくりの楽しさを体感してもらう授業です。今回は、子どもたちの柔軟な表現力から刺激を受け、アートでビジネス思考を育むことを積極的に取り入れている当社の社内研修としても実施しました。
博多の伝統工芸の歴史や特徴を学んだ後、鹿児島睦氏と中村人形が共同で制作した素焼き人形に、二人一組のペアでテーマを設定し、それぞれの個性を人形に吹き込む作業を行いました。普段の業務とは異なる創造性を刺激する体験に、参加者からは終始笑顔が溢れていました。絵付けでは、さまざまな技法を学びつつ、思い思いの色彩感覚やデザインを取り入れるペアも多く、その自由な発想には講師陣も感銘を受けていました。
代表者によるプレゼンテーションでは、作品に込めた想いや工夫した点を熱く語り、互いの作品を称え合う温かい雰囲気に包まれました。
今回の研修は、チームワークの向上はもちろん、参加者一人ひとりの新たな才能を発見する貴重な機会となりました。完成した作品は、テーマ設定から色彩、細部の仕上げに至るまで、各ペアの個性が際立つものばかりでした。
普段とは違う体験を通して、社員間のコミュニケーションも活発になり、業務の垣根を越えた交流が生まれたことは、今後良い影響を与えるでしょう。
当社は、これまでも、観察・表現・対話を通じて創造力を育む、ビジュアル シンキング ストラテジー(VTS)を使った美術鑑賞法などを研修として行っており、アートを通して直感的・感性的スキルをプラスしたビジネススキルに加えることを目指しています。
今後もこのような体験を通して、多様な視点を獲得し、社員の創造力や問題解決能力を高め、より良いサービスを提供できるよう努めてまいります。
Next Traditional 2024 中村弘峰 Feat.鹿児島睦
クリエイティブ思考を福岡らしく学ぶ体験
実施日
2025年3月12日
内容
博多人形の絵付け
・二人一組のペアでテーマを設定し、一人一体の博多人形に絵付け
・完成後、各ペアの代表者が作品のテーマや工夫点をプレゼンテーション
・作品の仕上がりとプレゼンテーション内容を総合的に評価し、優秀作品の表彰
講師
鹿児島 睦(かごしま まこと)
陶芸家・アーティスト。美術大学卒業後、インテリア会社に勤務しディスプレイやマネージメントを担当。2002年より福岡市内にある自身のアトリエにて陶器やファブリック、版画など多岐にわたり制作活動を行う。日本国内のみならず、L.A.、台北、ロンドンなどで個展を開催、近年では世界中にファンが広がっている。作品制作の他、国内外のブランドへ図案の提供も行っており、様々なプロダクトを発表。また、国際的なアートプロジェクトへの参加や、空間への壁画制作など活動の幅は多岐に渡る。
中村 弘峰(なかむら ひろみね)
「中村人形」の4代目。2009年東京藝術大学美術学部彫刻科卒業。2011年東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。人形師で父の中村信喬に師事 福岡県太宰府天満宮干支置物制作、博多祇園山笠土居流 舁山制作。伝統を重んじつつ現代性を取り入れた斬新な作品を手がけている。代表作に「江戸時代の人形師が現代にタイムスリップしたら」という発想から、子供の健やかな成長を祈願する五月人形と、野球選手やアメフトプレイヤーといった現代のアスリートをかけ合わせた「アスリートシリーズ」、雅な紋様をあしらった「動物シリーズ」など。従来の概念にとらわれない斬新な作品ながら、古来人々が人形に願いを込めてきたように、いまも変わらない「祈り」を託している。